#07 CRFスコアの向上で健康寿命を伸ばす

以前のコラムにおいて、日本人の平均寿命と健康寿命の差は男女平均10.39歳(2019年データ)あるとご紹介しました。また、運動不足が日本において病気による死亡危険因子の3番目の原因となっていました。

健康の観点から運動を習慣的に継続することで得られる効果について、興味深い数値が発表されていましたので今回はその内容を簡単にご紹介いたします。

C R Fとは

心肺フィットネス (CRF:cardiorespiratory fitness)は、運動中の筋肉への酸素供給能力および筋肉の酸素消費能力が合わさったもので心肺持久力とも呼ばれます。身体の呼吸器、心血管系、骨格筋システムと密接に関連するもので、CRFのレベルが低いと早期死亡リスクが高いと考えられます。保健医療分野では体力を向上させるために、まず心肺フィットネスが重視されています。

CRFの評価基準は最大酸素摂取量(VO2max)で、イギリスやアメリカの研究では、VO2max値が8ポイント改善すると健康寿命が約1年延伸する(VO2max値が1ポイント改善すると約45日延伸する)という報告があります。

日本でも例えば仙台市60歳以上の方を対象にCRFスコアを向上する目的のトレーニング(週3回、120分/回)を6ヶ月実施したところVO2max値が3ml/kg/min増加した研究報告があります。

健康寿命の延伸はこれからの社会的な課題とトレーニング

継続的なトレーニングの効果には、老化(身体機能の低下)を遅らせる効果があります。

平均寿命を伸ばしながら、健康寿命を伸ばすことに効果があると考えられています。

イギリスの国内最大保険会社では、健康度連動型保険の報奨金としてC R Fスコアが利用されています。日本では住友生命の健康増進型保険Vitalityは、「運動や健康診断などの取組みをポイント化し評価する」ことで保険料の割引や特典を受けられるサービスが実施されています。目に目えるような形で健康についてライフスタイルの中で意識して取り組む活動が増えてきています。

ライフワークストレングスでは、wattbikeを用いてC R Fスコアを測定し、測定結果とお客様の身体状況に合わせたトレーニングプログラムを進めています。C R Fスコアの向上だけでなく、栄養、生活習慣チェック、姿勢改善や高齢者の転倒リスクを減らすため、歩行、ウォーキング、ジョギング等の運動能力を高める動的ストレッチ、筋力トレーニングを組み合わせたトレーニングプログラムを包括的にアプローチしています。

◆参考

・Wikipedia「心肺フィットネス」ページ

・「健康寿命のさらなる延伸に向けて」東北大学 辻一郎氏

・NEXT No.171 2021/July

・Journal of the American College of Cardiology(2018 Aug28)

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