#05 運動不足は死亡率に関係する!?

コロナ禍により身体活動の機会が激減

2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、生活様式が大きく変わりました。

学業や仕事ではリモート活動が増加し、通勤・通学、スポーツ活動(部活や社会人スポーツ)の機会が大きく減りました。また、これまで以上に長時間働く環境となっている方も少なくありません。

身体活動の低下から、筋肉量の減少のリスクが増え、加齢とともに筋肉量が衰えることと伴って、運動不足が過体重の原因となり、生活習慣病につながる可能性が高まっています。

どうして運動不足が危険なのか

身体活動エネルギー消費を増やすことができず、摂取エネルギーが増えることで体重は増加傾向になり、肥満になりやすくなります。ミトコンドリアの機能が低下し、活性酸素が糖や脂肪の代謝に悪影響をもたらします。特に、内臓脂肪が増えることで、高血糖や高血圧、脂質異常を起こしやすく(メタボリックシンドローム)、放っておけば脳卒中や心筋梗塞、腎不全などを招くリスクが上がります。また、筋肉量が減ることで、適正な体重に必要とされる基礎代謝量を維持できず、より一層体重の増加を加速させます。

2021年日本の主な死因の構成割合は、悪性新生物(がん)、心疾患(高血圧を除く)、老衰、脳血管疾患の順に高く、病気による死亡の危険因子としては、喫煙、高血圧、運動不足、高血糖や飲酒の割合が高く、運動不足が死亡率に関係する危険因子であることがわかりました。

健康寿命を伸ばす(レッドゾーンの改善)の観点からも特に生活習慣病の発症は、悪性新生物や循環器系疾患に関与することから早期改善が必要とされています。

健康増進に必要な5つの習慣の見直し

健康寿命の延伸、健康体重の維持を目指すためにも下記の5つの習慣から見直す必要があります。

1.体重チェック(筋肉量と体脂肪量)

2.運動習慣(スポーツ、トレーニング、趣味など)

3.食事(偏りのない栄養バランス)

4.嗜好(節酒、禁煙など)

5.睡眠(睡眠時間と質)

以上

詳しくは、今後お伝えできればと思います。

まとめ

運動不足は、身体活動量を減らし、体力や持久力の低下、筋力の低下に影響します。

加齢とともに20代後半から下肢、体幹、全身の筋肉量が減少していき、特に40〜50代から急激に減少していく変化が見られます(サルコペニア)。加齢とともに筋肉を作るホルモンやサテライト細胞(新しい筋繊維をつくる)が減少することで筋肉量を必要な分を維持する/増やすには時間と努力が必要となります。

早期から運動習慣をつくることが健康維持・増進に繋がります。また、筋力が低下することで日常生活動作や身体機能が低下し、ライフスタイルの質が低下します。気持ちが落ち込むなど悪影響が続きます。(負のサイクル)

運動不足は、耐糖能異常、脂質異常、高血圧、肥満などの生活習慣病の発症リスクを増大させ、心筋梗塞や脳卒中など死亡リスクをも増加させてしまいます。

参考/引用

・厚生労働省「2021年人口動態統計月報年計」

・THE LANCET 日本特集号 日本:国民皆保険達成から50年 「なぜ日本国民は健康なのか」

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