春から夏にかけてこの時期は、体調管理に十分に気をつけて、トレーニングやスポーツ活動を実施していただきたいと願い熱中症について皆様へお伝えいたします。
■熱中症になってしまったら
もし日常生活や運動時に熱中症になってしまったら、病状を熱疲労から熱射病に進行させないことがとても大切です。
熱中症の病型は、熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の4つ分かれていますが、明確に分かれているわけではないため、脱水、塩分の不足、循環不全、体温上昇などがさまざまな程度に組み合わさっていると考えられます。
救急処置は病型によって判断するよりも重症度に応じて対処することが良いと言われています。
暑い時期の運動中に熱中症が疑われるような症状が見られた場合は、まず重症度の高い熱射病である可動かを判断します。
熱射病の特徴は、高体温(直腸温40度以上)と意識障害です。
応答が鈍い、言動がおかしいなど少しでも意識障害が見られる場合は熱射病を疑い、救急車を要請して涼しいところへ運び、速やかに身体冷却を行います。
氷水に全身を浸して冷却する方法(氷水浴/冷水浴)が最も効果的ですが、できない場合は、水道からホースなどで全身に水をかけ続けたり(水道散布法)、エアコンを最大まで高め、氷水で濡らしたタオルを全身に乗せたり、扇風機や氷、アイスパックなどを頸部、脇の下、脚の付け根など太い血管に当てて追加的に身体を冷やします。
現場での体温測定は「直腸温」が唯一信頼できる測定です。
直腸温が39度以下となるまで冷却します。
ただし、測定できず熱射病が疑われる時には、身体冷却を躊躇することなく「寒い」というまで冷却します。
特に運動時の熱射病の救命は、いかに速く(約30分以内)体温を40度以下に下げることができるかにかかっています。
現場で可能な方法を組み合わせて周囲と協力をして冷却しながら救急隊の到着を待ちます。
意識が正常な場合は、涼しい場所にうつし衣服をゆるめて寝かせ、スポーツドリンクなどで水分・塩分補給をします。
冷房やうちわなどで扇ぐなど対応を取ります。
吐き気などで水分補給ができない場合は医療機関での点滴などの治療が必要です。
大量に汗をかいのに、水分補給していな状況で熱痙攣が疑われる場合には、スポーツドリンクに塩を足したものや、生理食塩水(0.9%)など負目の食塩水で水分・塩分補給をします。
上記の処置をしても症状が改善した場合でも当日の運動やスポーツ参加などは中止して、少なくとも翌日までは経過観察が必要です。
熱中症を疑う症状においてのチェックチャートをスライドに記載しました。
暑い中、運動される方や運動を指導される方は、消防庁や熱中症予防ガイドブックなどを参考に備えをすることをおすすめいたします。
東京消防庁(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/season/heat.html)
日本スポーツ協会(https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid523.html)
◆参考/引用
・日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
・環境省「熱中症予防情報サイト」
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